現在、ネットでもっとも多く検索されているのは、アダルトサイトだと言います。そしてその中でも圧倒的に多くのユーザーが閲覧しているのが、無料のアダルトサイトです。
一昔前にはデータを読み込むのにも時間がかかり、そのような動画像を閲覧するのはなかなか容易でない時代もありましたが、今や状況は変わりました。スマホやタブレットからでも、サクサクとアダルト動画を視聴できます。
それが無料ということならば、尚更、利用もやめられなくなるでしょう。しかし、今は大丈夫でも後から厄介な被害に巻き込まれる恐れもあります。
ここでは、無料のアダルトサイトの危険性を必要以上に煽るのではなく、忘れてはならない無料サイトの真実をまとめていますので、内容を確認しておくに越したことはありません。
■ Contents
1.無料アダルトサイトの隠れた側面
① 無くならないワンクリック詐欺
お金のかからない無料アダルトサイトを利用していると、誰もが一度は経験されることかもしれませんが、年々、ワンクリック詐欺(ツークリック詐欺や、2016年にはゼロクリック詐欺も出現)の手口は巧妙化し、詐欺サイトの被害が後を絶ちません。
代表的な一例としては、見た目はごく普通のアダルトサイトでも、とあるリンクに触れた瞬間、画面にポップアップが現れ、「有料契約が締結されました」というような文言が出てきて、高額な利用料金を請求される被害です。
その際、IPアドレスやプロバイダのデータが抜き取られて、その情報も表示して利用者に追いこみをかけてくるので、不安のあまり料金を払ってしまったというユーザーも少なくはないでしょう。10万円を超える金額を振り込んでいる方も少なくないようです。
最近多くなってきているのは、それらの危険なリンクを踏んでしまうと同時に、利用者のパソコンに自動的にプログラムがインストールされ、支払いが済むまでポップアップが消えなくなる、という手口です。もちろん、支払った後でも消えないケースもあります。
② 架空請求が横行する理由
では、なぜこのような執拗な架空請求が、無料のアダルトサイトに横行しているのでしょうか? それは、実にそういったサイトが「無料」で視聴できるところに原因があります。というのも、誰も慈善行為で無料アダルトサイトを制作することはありません。
動画を無料で提供している分、運営者は広告による収入を得ています。それが悪質な広告(不正サイトへのおびき寄せ)と理解していても、広告収入を得たいがために、無料サイトの管理者は掲載を受け入れてしまうのです。
もちろん、悪質な広告と知らずに掲載している管理者もいますが、そもそも、詐欺目的で作られた非常に危険な無料サイトも存在します。すなわち無料アダルトサイトでは、何が起きても自己責任ということになります。
利用料がタダで数多くの動画を視聴できる分、罠に引っかかったときには、自分でその割を食う必要があると言うわけです。慎重な人ならば簡単に詐欺被害に遭うということはないかもしれませんが、最近はそのやり口もずっと巧妙になっているので、油断はできません。
たとえば、よくあるクリック詐欺でも従来のように高額な利用料金を吹っかけられることはなく、いかにもそれ相応な額を提示された場合には、あなたはただちにそれを「架空請求」を見抜くことができるでしょうか?
「これくらいなら仕方ない」「勉強代だ」とでもいうように解釈して、騙されて、お金を払ってしまうこともあるのではないでしょうか? そういった詐欺被害を避けるためにも、「タダより高いものはない」と心得るべきでしょう。
2.マルウェア(悪意のあるソフトウェア)による被害
① マルウェアとはどういうもの?
利用者やコンピュータに害を成すプログラム =「マルウェア」の被害も、今日、無料アダルトサイトでは一般的によく起こる事態です。(※最広義ではコンピューターウィルスと同義ですが、コンピューターウィルスはマルウェアの一種です)
どこかのリンクに触れた途端、音も気配もなくマルウェアがPC内に侵入し、あなたの大事なデータを破壊したり、ネット上に流出させる危険があります。それがあなたの私的な写真であったり、仕事のデータであれば、取り返しのつかないことにもなりかねません。
最近は「デジタルタトゥー」という言葉も出ていますが、まさしくタトゥーのように、ネット上に流出した動画像は、完全に消去することはできないのです。
あるいは、直接的に金銭面での被害が発生することもあります。たとえば、クレジットカードのデータを抜き取られたり、銀行口座の暗証番号まで把握されたりすると、明日にはあなたの貯金がスッカラカンにもなってしまいかねません。
② トロイの木馬に感染するとどうなるのか?
また、無料アダルトサイトに蔓延る、定番のマルウェアといえば「トロイの木馬(マルウェアの一分類)」ですが、様々な種類がある中でもPCの画面を透視し、遠隔操作するタイプ(バックドア(秘密の扉)型と分類されています)が最も危険とされています。
間違って、このトロイの木馬に感染した場合には、素人では消去も簡単にはいかない可能性があり、起こり得るリスクを特定することも困難です。さらに厄介なのは、こういったマルウェアの被害は他人に相談しにくいということにあります。警察にも、まさか「アダルトサイトを見て感染した」とは報告しにくいものです。
マルウェアの開発者というのは、その辺りの利用者心理も計算に入れた上で、無料アダルトサイトのサーバーに忍び込んでマルウェアを仕込みます。そして多くの場合、マルウェアでクラッシュしたパソコンは復旧できたとしても、盗まれたデータやお金は回収できません。
③ マルウェアに感染しておこり得る被害のまとめ
- 画像、動画、文書などのデータが盗まれる
- 盗まれたデータが流出し、
「デジタルタトゥー」として未来永劫、ネット社会に刻まれる - 仕事上の重要なデータが流出した場合には、責任を取らされる恐れもある
- クレジットカード、銀行口座の情報を掴まれる
- PCを遠隔操作され、勝手に契約を結ばれる
- PCがクラッシュし、デー タ復旧が困難になる可能性がある
多くの人々が日常的に利用している無料アダルトサイトには、実にこれだけのマルウェア被害の可能性があるのです。
もちろんこれはPCだけでなく、スマホやタブレットから閲覧したときにも変わりません。むしろ、マルウェア被害の深刻さは、こういったデバイスの方が上なのです。